数学入門その1
算数と数学の違い
小学校の算数では計算を覚えることが中心ですが、数学は”どのように考えるか”を身につける教科です。ですから答えの数字が会っていれば正しいのではなく、途中の考え方も正しくなければ数学の正しい解答ではありません。これが算数と数学の大きな違いで最も重要な事です。ですから、日頃からどのように考えたのかを相手に説明する事を心がけて下さい。そのためには先ず正しいノートの書き方を身につける事が大切です。”自分さえ分かればいい”というノートの書き方は駄目です。たとえ計算問題でも、他の人が見た時にどのように計算したか分かるように書かなければなりません。写真に正しいノートの書き方を示します。ノートの書き方の基本は、ゆとりを持って大きめの字で書くことです。分数は2行使って書きます。1行に分母と分子を詰め込んではいけません。それから中学からは、式は右に続けるのではなく、下に続ける習慣を付けて下さい。数学では何段階も式を変形します。横につなげるよりも下に続ける方が見やすいためです。
数学入門その2
正しい式の書き方
計算問題でも正しい式を書く習慣をつけましょう。筆算だけ書いていたのでは数学力は身に付きません。数学の式の書き方には基本ルールがあります。まず、中学では負の数が出てきますが、負の数は必ずカッコでくくる習慣をつけましょう。()カッコは”まとめる”という意味を持っています。2 x -3
と書いてはいけません。必ず、2 x (-3) と書いてください。(-3) が一固まりという意味になります。
次に = (等号)の正しい使い方を覚えてください。= は左右(若しくは上下)が同じという意味です。決して計算の区切り文字ではありません。写真に正しい統合の使い方と間違った使い方の一例を示します。どうも最近の小学校では、間違った等号の使い方を教える先生がいるようで、=
(等号)が左右が等しい(同じ)という事を高校生になっても理解できないお子さんを見かけます。等号の意味を正しく理解しないと、方程式の意味が分からない、という事になってしまいますので、等号=左右(上下)が等しい(同じ)と言う意識を早く身に付けて下さい。
数学基礎その1
正負の数:見えない数を理解する
数学の始まりは正負の数です。正の数は見に見えますが、0と負の数は目に見えません。算数と数学の大きな違いは、数学は目に見えないものを理論的に考えて扱うことです。負の数はその第一歩です。正負の数を理解するためには数直線を理解して下さい。数直線で正の数は右向きの矢印ですが、負の数は左向きの矢印で表されます。向きが反対です。負の数は直接は目に見えないですが、正の数を打ち消す力だという感覚を身に付けて下さい。
ヒント:四則演算での符号の扱い、特に正負の数が混じった掛け算と割り算での符号の変化に気をつけて下さい。
数学基礎その2
文字式:数学的表現入門
算数では分かっている数を組み合わせて答えを求めましたが、数学では、分からない数字は分かったと考えて文字で表して方程式を作って答えを求めます。文字式は方程式を作るための練習です。いろいろな数字を文字式で表すことに慣れると同時に、文字式の足し算・引き算が正確にできるように練習して下さい。
数学基礎その3
方程式:数学的思考法入門
算数では、鶴亀算とか虫食い算とか、問題に合わせた解き方を使いました。数学では、求める数(分からない数)を分かったと考えて文字 x
で表して、問題文の数の関係を式(方程式)に表わして解きます。数学は方程式を立てて解くという一つの方法ですべての問題を解くことが出来ます。
先ずは方程式を作る(立てる)事に慣れましょう。算数の解き方は忘れて下さい。方程式を立てる時には式だけでなく、説明を書く事に慣れてください。方程式では、何を x としたか、例えば、”鉛筆を x 本買ったとする”というように説明を書きます。次に方程式を x について解いていきます。その時、式を横に並べずに縦に並べて書く癖を付けましょう。数学では縦に式を並べるのが基本です。
最後に、x = ○と求まったら、答え ○本 と答えを書くことを忘れずに。数学では単に数字を求めるだけでなく、答えを求める考え方を身につけるのが重要です。解答はどのように考えたかを採点者に説明するつもりで書いて下さい。計算の途中のメモ書きは数学の正しい解答ではありません。